Fontacce

生産者

シモーネの情熱モライオーロ

シモーネは小規模な生産者としては贅沢なMORI TEMの最新鋭搾油ラインを一大決心して導入してしまった、オリーブオイルのデザイナーを自称している若き生産者。

トスカーナ生まれだから、代表品種モライオーロの「旨さ」に興味を持つのは当然だよ、中世ルネッサンス時代からトスカーナ人が築き上げた食文化はモライオーロの豊潤な味わいが欠かせない、だから、僕はモライオーロを極限まで磨き上げたオリーブオイルが作りたい！　と熱く語るシモーネ。

自家栽培畑はイタリア政府オーガニック認定の「ビオ」にこだわり、自然のエネルギーをたっぷり含んだ最高のオリーブを使い、スパイシーさが際立つモライオーロの一般常識枠を超えた、自身がデザインするクラシックでありモダンなオイルを生み出したいと彼はいつも考えている。

単一品種のオリーブオイルはブレンドに比べて造り手の評価になりにくい、しかし、モライオーロの繊細な風味を体験するには、ただ搾れば良いものではないことを、自分がデザインしたオイルで皆さんに知ってもらい感動してほしいとシモーネは願っている。

モライオーロを愛して止まないシモーネの自慢のアトリエ（自社搾油所）から創り出される、単一品種モライオーロとモライオーロをベースにしたブレンドオリーブオイルのマジックをお楽しみください。

モライオーロの楽園

シモーネの自称アトリエ（自社搾油所）は、旧街道から未舗装の急坂をエンジンをMAX吹かして昇った丘の中腹にある、マチュピチュのミニチュア版、天空のポツンと一軒家。

巨大な白い牧童犬「ぺぺ」が泥んこの手をこすり付けて歓迎してくれる。

周囲はしんと静まりかえり風でそよぐオリーブの葉がキラキラと銀色に輝く。

丘陵地をびっしり埋め尽くすのは空に向かってぐんぐん伸びる樹像が特徴のモライオーロ。

てっぺんは濃い緑、下は銀色の葉をたっぷりつけた、トスカーナ原産の代表品種。

シモーネが丹精込めて育て未知の勝負に出た舞台「神聖なるモライオーロの楽園」。

フラントイオのすっきりフルーティー、レッチーノのまろやかさもトスカーナオリーブオイルには大事だが、あえて、ツウ好みの味わいのモライオーロを選び情熱を注ぐシモーネには脱帽。

今まで単一品種のモライオーロをたくさん食べてきたが、シモーネが創るものは正真正銘、史上最強だ、食べる度に「なんて贅沢な時間なんだろう」と感動。

うまさがおとろえないのは最上の実を使用し自社搾油所を備えているからだけではなく、常識を超えた先に出現する、食べる人を「こいつは何だろう」と驚かせる味を目指している。

シモーネの祖父、そのまた祖父たちが育みシモーネに伝えた、モライオーロへの愛情を彼がさらに磨き上げて生み出した緑の宝石、たっぷりの旨味とコクと苦みが混ざり、印象的なシャープな辛みが織りなす味は完璧なうまさの黄金比だ。

フォンタッチェでしか味わえない単一品種モライオーロ、そしてモライオーロをベースにして、すっきりフルティーのフラントイオを加えたブレンドオリーブオイルでシモーネとぺぺ、風にそよぐ銀色のトスカーナ丘陵を想い浮かべながらハピネスな時間をお愉しみください。

Moraiolo｜モライオーロ

● トスカーナ原産。イタリア中央部で多く栽培。丘陵地形が最適。

● 横にはあまり広がらず、上方向に枝を伸ばす。樹間隔が狭くてもOK。

● 上部は濃い緑色の葉、下部はシルバーグレーに輝く葉。

● 実は1.5~2.5g の中型。下部が若干太く短い楕円球形。

● 実の色は緑 → 赤 → 赤紫 → 紫 → 黒紫に変化する。

● 収穫は標準的には11月。温暖化で10月に収穫する傾向。

● 実が葉柄にしっかりと付いている。風で離脱しない。

● 油分を多く含み、搾油率が高い（15〜18〜20%）

● 濃い緑色のオリーブオイル

ピカピカの新世代搾油マシン

ある日のトスカーナ。初めて生産者フォンタッチェを訪ねた時のこと。

「すごいね、よく頑張って導入したね」とシモーネを褒めてあげた。

3000本ほどの、いわゆる小規模オリーブ園の奥にシモーネの粋を感じる宝物がおさまった自社搾油所が潜んでいる。手入れがよくピカピカの搾油機のフェラーリと例えられる新世代のマシンに心が踊らされる。

オリーブオイル造り手が羨ましく思う宝物。

大切に育てたオリーブを最高のオリーブオイルに変身させたいと想いがつのり、既存の搾油所へ持ち込み搾る安易な利便性に妥協せず、新時代の搾油マシンを購入する大決断をしたシモーネに脱帽。

テイスティングしたオリーブオイルは彼の傑作「単一品種モライオーロ」。オリーブオイル鑑定士の僕が数多く出会ったモライオーロとは一線を画す澄み通りキレイな味に驚いた。

「熱意は誰にも負けないよ、僕のモライオーロにふさわしい最新設備でしかつくれない、いままで味わったことがない素晴らしいオリーブオイルを心待ちしている人に届けたい！」と語るシモーネの眼には目標向かって進む自信の光が宿っています。

これからも、彼の進化に目を離さず、彼の宝物を見に通い続けたいと思っています。